美味しい水出しコーヒーを作る方法

水出しコーヒーに魅せられて、40年。
自分で作り始めてからは30年です。

中学生の頃、姉の彼氏が家に来て、初めてサイフォンで淹れたコーヒーを飲んでから、母親も好きだったためコーヒーにハマりました。
当時は、今ほど良い豆は無く、それでもインスタントコーヒーや缶コーヒーより美味しかったので、よく飲んでいました。

上京して、最寄り駅の高架下にダッチコーヒーの店を発見したのが水出しコーヒーとの出会いです。
ウィンドウから見える水出し器具のガラスの美しさに魅せられました。

田舎者なので、なかなか入店は出来ませんでしたが、勇気を出して入店して頼んだ水出しコーヒー。
ワインのような芳醇さとベリーっぽい味なのにクリアで透き通る味に感動したのを今でもハッキリと覚えています。
その後、仕事が忙しいのもあり少しの期間コーヒーと離れていましたが、某有名店の焙煎教室に参加。
それから、27年間自家焙煎を続けてきました。

焙煎した豆の半分以上は水出しです。
もちろん冬でも夏でも水出しがメインです。
幸いな事に妻も水出しが好きになったので、多少キッチンを汚しても怒られません(笑)

水出しコーヒーの作り方

水出しは大きく分けて2種類ですね。
滴下式と浸漬式です。

・滴下式
滴下式はすごく高い器具もありますが、必要ないです。
私も1台だけ持っていますが、普段使いするにはガラス部分を割ってしまうリスクがあります。
ですから、イワキのウォータードリッパーで十分です。
少し水が落ちる部分の精度が甘く個体差が大きいのがデメリットです。
手軽に滴下式を使いたいなら、100パーセントのおすすめは出来ませんが、この商品が選択肢になります。

・浸漬式
浸漬式は、容器にコーヒーを入れて漬けておく方法です。
手軽に出来ますし、少し時間は掛かりますが問題なく水出しコーヒーが出来ます。
この手のタイプは8時間くらいで出来上がります。
価格も安いです。
デメリットとしては、粉が動かないので薄く出る事ですね。
また、メッシュから微粉が出ますので舌触りが滑らかでは無く気になる人もいるかもです。

私の水出しコーヒーの作り方

イワキのウォータードリッパーは、2台でほぼフル稼働していますが、自分の好きな豆や高価な豆などは今回紹介する方法で水出しを作っています。

用意する道具は、100均とかで売っているポッドです。
麦茶とか作る物ですね。
あとは1~6人用のドリッパーと紙フィルターと穴の開いたダイソーで買ったスプーンです。
紙フィルターは消耗品ですが、全部揃えても1000円くらいで揃えれると思います。
ただ、出来上がった水出しコーヒーを移す容器は必要ですので、拘らないなら麦茶を作るポッドを2個買うと良いです。
私はガラスのコーヒーサーバーを使ってます。

まず、コーヒー豆を用意します。
挽き目は、細か過ぎなければ大丈夫です。
通常のドリップくらいかフレンチプレス用の粗びきでも、どちらでも良いです。

粉10gであれば水は120mlもしくは130mlで調整します。
これは好みになるので、色々と好みになるように調整してみてください。
倍率で言えば12~13倍です。
粉50gであれば、600~650mlですね。
水出しは抽出量が少なめになるので、多少贅沢ですね(笑)

それでは作り方ですが、まず粉を麦茶ポッドに入れます。
出来上がり量の3分の1の水を入れて、回すような感じで粉と水を混ぜます。
混ぜ終わったら5分くらい放置します。
粉で売っているコーヒーは試した事は無いですが、豆で売っているコーヒーだと5分置くことで粉の膨らみが収まるはずです。
5分経ったら、出来上がり量まで水を入れます。

次に時間は気にしないでも良いので一回だけ麦茶ポッドを振ります。
上の方にコーヒー粉が上がってきているので、それを水に再度混ぜ込むのが目的ですので、軽くでOKです。
※画像のように浮いています。

浮いているコーヒー粉

私の場合は夕食を食べた後20時くらいから作り、寝る前に一回振ってます。
めんどくさいような気もしますが、毎回やっているので日課になってます。

浸漬式なので8時間と思われますが、最初に回すように振っているので6時間くらいでも飲めます。
長い時間漬けると、過抽出になると思う方もいるとは思いますが、実際は気にするほどの過抽出にはならないので、夜仕込んで朝に完成で大丈夫です。

朝になり、粉を紙フィルターで濾します。
この時に一回麦茶ポッドをかき混ぜるとポッドの中の粉残りは少なくなります。
画像のようにセットして、濾していきます。

紙フィルターで水出しを濾す

ここまでのやり方で水出しを作っている人は多いと思います。
ここからが、少し違いますが手間暇を少し加えるだけですので、難しくはありません。

ポッドからフィルターに水出しコーヒーを入れると、コーヒー豆の焙煎度や種類によりますが、多少なりとも変な白いのが浮きます。
コーヒーオイルであったり、灰汁のような物ですかね。

灰汁のようなもの?

これを穴あきスプーンで丁寧に除去していきます。
穴あきではなく、スプーンで取るとコーヒーオイルも取ってしまうので、最終的に穴あきスプーンになりました。
紙フィルターに吸着されるコーヒーオイルも当然ながらありますし、この灰汁のようなものも落としきらなければ問題ないだろうと考えますが、何度も何度もやった結果、取り除いた方が雑味が少ないです。

穴あきスプーンで灰汁除去

この灰汁のような物ですが、今まで数えてませんが少なくても50回は舐めています。
ガテマラならどうだろう、エチオピアならどうだろう、この農園ならどうだろうなど何度も舐めましたが一貫して渋さやえぐみがあります。
微妙に味が違います。
だいたいは、最初は味がしなくて1秒後くらいにウゲ~ってなりますね(笑)

また、滴下式や粉が動かない浸漬式では出ません。
じゃあ、出ない方が良いと思いますが、出ない状態は豆のポテンシャルが出ていないと私は思っています。
実際はどうかは分析してないのでわかりませんが、TDSという濃度計みたいので計ると、今回のやり方の方が濃度はわずかですが高いです。

出来上がりはこんな感じです。
澄んだ琥珀色のコーヒーが出来上がります。
写真だとよくわからんと思うけど(笑)

水出しコーヒー出来上がり

最初に攪拌したり、途中で攪拌する事で、より抽出されていると思っています。
最後に灰汁を取る事で、キレイな味になります。
もっと良い方法はあるのかもしれませんが、30年間水出しを作ってきて、この方法が自分なりの現状はベストと思っています。
ただ、豆があまり良くない時は、豆のポテンシャルを出さない方が良い場合もあると思います。

この方法で必ず作るわけではありませんし、普通に作る場合と半分半分くらいです。
ある程度の豆で、他のやり方と比較した場合は明らかに違いは出ています。
先日購入した、ロピアの珈琲問屋コロンビアでも実験して、味の差は出ていますので、ものすごい高級豆というわけではなく新鮮で劣化していなければ、味が変わるのはわかると思います。

奇特な方がいれば、試してみてください。
ほんのひと手間で美味しくなれば嬉しいですよね。

コーヒー

Posted by グッ爺